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colums会長のコラム

会長のコラム 176

今月は、知人のご逝去が多い季節柄であり、予定をこなすのに往生しました。
拙宅の居間から見える、昇る旭がずいぶん左に(東に)寄って来て、間もなく最東の折り返し位置に差し掛かります。毎年繰り返す光景を毎朝見ていると、人生のカウントダウンを待つ寂しさを感じつつも、有難さとも感謝とも付かない不思議を感じるのです。
現役時代のこと、日本経済新聞社が、ベンチャービジネスセンター(VBC)と言うベンチャー支援を目的にしたサークルを立ち上げてくれ、我々企業創業者に勇気と便宜を提供してくれました。ここの会員は、供に創業を苦労した者達同士と言う同じ価値観を持つ同志で、今でも家族ぐるみの付き合いをしている会であります。そのメンバーもいよいよご逝去1号の月となりました。業種は違っても創業と言う共通のテーマを持った者同士であった貴重なパーティーなのです。
一方、私の趣味の会である、アルゼンチンタンゴをこよなく愛する同好会「横浜プーロタンゴ」があります。アルゼンチン・ヴェノスアイレスまでタンゴの原点を探りに行く会でもあります。ここのメンバーのお一人も先日81歳で逝ってしまいました。私より僅か1歳年上で、私の田舎である秋田のご出身と言うこと、近くにお住まいのうえ、自転車で行き来していた人であっただけに、「死」に直面し改めて寿命を「センチメンタル」に感じてしまい、この5月は感傷の月でした。
さて私事でありますが、悩み続けた脊柱管狭窄症はペイン・クリニックと言うブロック注射による治療で痛みから解放されています。治ったわけではなく無理は出来ない状況であるものの、今は一応ハッピーに過ごしております。それとは別に、発作性心房細動と言う全く縁の無い病を主治医から言い渡されまして、80才と言う大台を改めて意識しなければならない状況に至りました。自覚症状は無いものの、不整脈による脳梗塞の発症に繋がると言われますので、手術の決心をしました。決めた予定に影響を及ぼさないためには、最低1か月の期間が必要なので、医者の了解を取り付け、手術の段取りを採ったところです。海外オペラツアーや長期の旅行を控える必要が無くなる、その喜びを期待して決心した次第であります。

コンサート ライフに移ります。
4月最後のコンサートが、29日のゴールデン・ウィーク9連休の初日であったために、このコンサートレポートのアップを待つと5月に大きく食い込んでしまうので、仕方なく5月の当コラム176に載せるべく遅らせました。

4月29日土曜、神奈川県立音楽堂での「神奈川フィル定期演奏会音楽堂シリーズ」に15:00開演で行ってきました。演奏曲目がベートーベン/レオノ―レ序曲2番、バッハ/チェンバロ協奏曲BWV1052 そして後半ステージがハイドン/交響曲101番 時計でした。
指揮が鈴木優人、バッハ/チェンバロ協奏曲の指揮振りでした。この人は、父親の主幹するコレギウム・ジャパンとの協演が主業のように思っていましたが、その事も有ってか、開演前に神奈川フィルとの協演の感想を含めたレクチャーが行われました。
ここ県立音楽堂でのチャンバー・オーケストラ の演奏は、至福の時であるのが常であります。そして神奈川フィルと鈴木優人との共演にはことさら興味深く期待しました。何と言っても鈴木優人のチェンバロ演奏と指揮振りであります。響きの良いことで定評の県立音楽堂ですがチェンバロの音量は、やはり他の楽器との音量差が大きく、音量バランスの問題が残りました。それでも、一粒も逃すことなく聴くことが出来ました。バッハの時代は如何だったのだろうか、コンサートホールでの演奏のはずは無く、貴族の居間での演奏だったと思うのです。響きの良い音楽堂であっても600以上の客席ですから当然の現象と言えましょう。それでも音楽堂ならではの素晴らしい響きのホールと言う事で、他では味わえないバロックコンサートを鑑賞しました。

5月13日土曜 みなとみらいホールにて神奈川フィル定期演奏会に14:00開演のマチネコンサートに行って来ました。児玉 宏 指揮によるブルックナー/交響曲8番 ノヴァーク版でした。
演奏時間が1.5時間と非常に長く休憩無しでした。オペラ公演で慣れているとは言うものの交響曲のこれは応えます。作曲者ブルックナーは、敬虔なキリスト教徒であり、作曲家としてよりも鍵盤楽器奏者として名を馳せた人である事は有名であります。その為かどうか彼の交響曲は完成後に改修する箇所が多いのが有名であります。交響曲8番ではこのノヴァーク版が最も演奏機会の多い作品であり、好むファンが多い作品であります。
指揮者の児玉 宏は、小澤征爾とともに齋藤秀雄の門下生でドイツ バイエルン州立オペラ劇場の音楽監督を務め、ドイツでの活躍が長かったひとです。日本では、大阪交響楽団との共演で日本に於けるブルックナー演奏の一番多い人と言われ、その人の指揮による演奏ですから期待は膨らんだわけです。
当日の演奏は期待に沿った素晴らしい演奏でした。この交響曲には、ホルン奏者に8名を必要とすることから、神奈川フィルの正規メンバーが4名であることに加えて、ワグナー・チューバに持ち変えるホルン奏者の4名がエキストラとなります。日本のオーケストラで全て自前の奏者で賄えるのはN響以外に無いのか、あるのか解りませんが、神奈川フィルに求めるのは無理でありましょう。とは思いつつもやはり、この辺りが「ピリッ」としないのが気になりました。

5月20日土曜神奈川県立音楽堂にて「神奈川フィル定期演奏会音楽堂シリーズ」に15:00開演で行ってきました。演奏曲目が、モーツァルト/ディヴェルトメントK.138 、ヴァイオリン協奏曲3番、そして後ステージがハイドン/弦楽四重奏1番、交響曲55番「校長先生」でした。当日の演奏は指揮者無しで行われました。その理由が開演前にコンサートマスターの﨑谷直人がレクチャーしていました。楽譜のフレーズを楽団員が仲間意識をもって解釈し合うのが常の行動であり、その行動を深める事が目的と言っていました。私は音楽演奏には全く経験が有りませんが、経営に携わる身として身につまされる思いが走りました。集団で行動し結果を出す行為は、音楽も企業活動も同じである、所詮集団行動は人間のサガなのです。素晴らしい会場の響きと演奏で改めて感慨を深めました。
「神奈川フィル」万歳、これからも頑張れ、であります。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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