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colums会長のコラム

会長のコラム 178

7月のコラムです。
7月1日土曜 日生劇場にてPM2:00開演で、ベッリーニ/オペラ「ノルマ」を観劇してきました。
藤原歌劇団のオペラ公演に、ベッリーニ/オペラ「ノルマ」があげられ、マリエッラ・デヴィアが出演すると言う、これは絶対に見逃すことは出来ません。しかし日生劇場でのオペラ公演は、私には全く経験の無いことで、藤原歌劇団会員の友人に確認したところ、俺も行くとのことだったので、何はともあれ、予約を頼んだと言う次第です。
この公演は、日生劇場、びわ湖ホール、藤原歌劇団、他などの共同制作公演と記載されていましたが、藤原歌劇団が中心になって企画制作したものと思います。
ベッリーニ/オペラ「ノルマ」は、ソプラノとメゾソプラノの二人の名歌手を必要とし、しかもこの二人の息が合うことが必須です。嘗ては、マリア・カラスが得意とする役であり、歴史に残る名演が記録されております。
私は、40年程前のミラノ・スカラ座のNHKによる日本引っ越し公演以来、生演奏を聴いていません。その時は、マリア・カラスの再来と言われた、エレーナ・スリオティス、メゾがフィオレンツァ・コソット、テノールがマリオ・デル・モナコ、と言うこれまた歴史に残る名歌手揃いの公演でした。
今回の公演では、そのノルマ役にマリエッラ・デヴィアが出演すると言うので瞬時に決断した訳です。デヴィアは、現役ソプラノ歌手の中でも圧倒的な実力ナンバーワンのソプラノ歌手ですが、このノルマの役には初めての出演で、大きな魅力となる公演でした。
この難しい役柄を多くのファンがデヴィアに求め続けて来ました。しかし、ご本人は65歳を過ぎるまでは出来ないと断り続けた経緯があります。ソプラノ歌手にとって65歳は尋常でありませんが、現役ソプラノ歌手のなかでも飛び切り、信頼の厚いデヴィアだから出来る所業です、今回その条件に適って出演が成ったと言う、これはファンとして絶対に見逃す訳には行きません。
ベッリーニの傑作中の傑作、イタリアオペラの中でも上位にランクされるオペラ/「ノルマ」
ストーリーも単純明快で女二人と男一人の三角関係を描いたもの、これと言ったドラマ的な内容ではありません。しかし、何と言っても音楽が素晴らしい「ザ・イタリアオペラ」を代表する作品でありながら、公演機会が少ないオペラなのです。
当日のオーケストラは、東京フィルハーモニーで、幸運にも主席コントラバス奏者の黒木さんがピットインしていました。後日公演の裏話を聞きたいと思っています。
当日の演奏は、素晴らしかった。この公演企画は、新国立劇場を俊逸していたと思います。藤原歌劇団万歳であります。翌日の公演には、二人のイタリア人ゲストを除いた、日本人だけの公演でした。やはりこちらの方は残念ながら「デヴィアありき」と言うことに尽きるとの評判でした。

私事ですが、7/10に心房細動の手術(カテーテル・アブリケーション)の予定で、7/9に入院し7/12に退院の予定を1ケ月前に決めていました。仕事やコンサートの予定を整理し、気持ちを整えるつもりで、手術経験者からの話なども聞き集めていました。
血液があふれ出し、不整脈の改善は10%程度で、食事の度に嘔吐を伴うと言う後遺症に悩まされている人や、2度やらないと駄目だと言う人の話などで、手術に躊躇したこともありました。
手術には家族の立ち合いを求められ、立ち会ってくれた家内に後で聞いたところ、手術の時間は3時間弱だったようです。私は、昼の12時頃に自分の病室で鎮静剤を投与され、そのまま何事も無く、夜の8時頃に自分の病室で、のどの渇きから目が覚め、何も知らない内にすべてが済んでいました。家内は既に帰宅しており翌朝晴れやかな顔で見舞いに来てくれ、昨日は執刀医から無事何事もなく済んだ由を聞き帰宅したとのこと。
何事も無く良かったとの一言でありますが、カテーテルを3方から入れ心房壁を貫くと言いますから、当人としてはビビってしまった訳です。一応は何ごとも無く済んで、不整脈は落ち着いていますが、1か月後の再診の結果を待たねば正しい結果は解らないと言うことです。現状では不整脈が落ち着いており、今までの虚弱体質的な感じが一掃され、「あれもこれも」と前向きに欲が出てくる、生きる楽しさの様なものが蘇っています。

7月15日土曜 神奈川フィル定期演奏会音楽堂シリーズにPM3:00開演のマチネコンサートに行ってきました。私は、13日に退院し間が有りませんでしたが、自分へのご褒美と家内に心配かけたお返しの積りで行ってきました。
演奏曲目は、吉松隆/「鳥は静かに」、モーツァルト/協奏交響曲 K.297b の2曲が前ステージ、ハイドン/交響曲94番「驚愕」が後ステージでした。指揮が川瀬賢太郎、ソリストは神奈川フィルの首席奏者たちで、流石に優れた奏者達と改めて感じ入りました。
この神奈川音楽堂は何故こんなに音が良いのだろう、コンサート前の川瀬賢太郎のレクチャーも実に通りの良いスピーチで、耳の聞こえが悪くなった自覚症状を全く感じない、これはとても素晴らしい現象です。
当日は、酒はご法度で車での移動でした。馴染みの寿司屋に行ったものの、酒の無いのは流石に寂しい、寿司屋の親父に手術の話をしたところ、私の世話になった病院の先生がこの店に来ていて、自分も同じ病を抱え世話になったと言う話で盛り上がり、私の心配し過ぎで特殊な病気では無かったようです。
再度、手術の後日談ですが、自分の運転での移動は、歳相応に極めて便利で老人生活には「必須」を感じます。まだまだ車を手放すことは出来ません。急な「目まい」などが起こらないとなると、希望が湧いてきて、手術の成果に感謝であります。

今月は、当社の決算月であり、7/28には締めの打ち上げ、来期に向けた事業計画達成に向けての決起大会が行われました。この一年間ご苦労でしたと言うことに加えて、将来に向け、他社に先駆けた優れたオーディオ機器を提供し続けること、当社商品をご使用いただく方々の満足度向上を図ること、などの目標を掲げて、より力強く成長する会社へと決意を表明したところです。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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