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colums会長のコラム

会長のコラム 197

2019年1月のコラムです。
「明けましておめでとう」と言うタイミングではありませんが、今年もコラムを書き続けますので、宜しくお目通し頂けますようお願い致します。
昨年の暮れから新年にかけて、例年同様に都心のホテルに滞在しました。私、ケアー付きマンションに入居しており、一応健常者ですがここは老人ホームですから、まともな雑煮が食べられないのです。つまり、歳寄りの喉に詰まらせる事故を避ける手段として、餅を加工するので、健常者には不満であり、普通の雑煮が食べたさのためにホテルにステイすると言う、何ともプアーな話で恐縮です。
ホテルにステイしている間に家内がインフルエンザに罹り、帰宅と同時に40度の熱に侵され、マンションに常駐するナースの助けで、契約病院の救急窓口で手当てを受け大事に至らず助かりました。しかし、住むマンションの性格上、私も部屋から出ることが禁じられ監禁状態で辛い思いをしました。短期間に全快したとは言え、80歳ともなれば人が集まる場所は要注意であり、来年は考えなければなりません。
昨年の新商品である、コントロール・アンプ(プリアンプとも言う)に代わる実力を持つパッシブ・コントローラ「CM-2000」は、お陰さまで市場の注目を浴び、試聴のご希望を多数お受けすることになり、喜ばしい状況に至っています。しかし、本器の制作には手間が掛り、デリバリーが追い付かない、「売り」に繋がる前段階で躓き、製造現場は大変な状況で、喜ばしいのかどうか複雑な心境に至るのであります。
一方のイコライザー・アンプEA-350 は、商品企画がミートし、用意した初回ロットが瞬時に売り切れ、デリバリーのショート現象には関係者一同感動ものであり、市場から頂いたご意見を有効に活用させて頂いた結果と感謝でありました。
そして、そのパッシブ・コントローラ「CM-2000」の受賞式が1月23日に行われ、行ってきました。この一件は、オーディオ機器の「音」とは、生音楽の「らしさ」に如何に肉薄するか、その「らしさ」の解釈は聴く者の哲学を実践する、商品に至りましたこと、我々の思いが普遍的思想として認められたことに、大きな喜びを感じるのであります。

さて、新年早々の音楽ライフです。
1月6日 日曜14:00開演で横浜みなとみらいホールにプラハ交響楽団 ニューイヤーコンサートに行ってきました。演奏曲目が、ブラームス/ヴァイオリン協奏曲、ドボルジャーク/交響曲第9番「新世界」の2曲でした。ヴァイオリン独奏が、樫本大進、指揮が楽団首席指揮者のピエタリ・インキネンでした。
当日の演目は、正月気分をわくわくさせる演目でありました。何と言ってもベルリンフィルのコンサートマスターを務める樫本大進の魅力が大きく、そのソロ演奏は素晴らしかった。加えて、ドボルジャークの曲もチェコのオーケストラとなると違うもので、イスティバン・ケルテス/ウイーン・フィルの名演LPを始め、名演レコードが数ある曲です。
私ごとですが、嘗て日本企業のチェコ工場立ち上げに助力と言うことで、少しの間チェコの田舎に滞在したことが有って、特別な思いを持っておりました、加えてこの地で修業をし、演奏家の生涯のスタートを切った、黒沼ゆり子さんのイメージにも繋がるものを感じとり、今年の始まりに相応しい感動を受けた次第です。

1月19日 土曜 恒例の高輪オペラの会に12:00開演で、高輪プリンスホテルに行ってきました。このオペラの会は、今回で30周年記念の会となり、当ホテルのイタリアレストラン「イル・レオーネ」にて料理とワインで祝いつつのコンサートでありました。
当日の演目は、プッチーニ/ラ・ボエーム、でした。出演者は、ロドルフォ/藤田卓也、ミミ/野田ヒロ子、マルチェルロ/宮本益光、ムゼッタ/高橋さやか、コッリーネ/谷 茂樹、ピアノ/藤原藍子と言うメンバーで、これだけの実力者を集めるのは、主催者の宇垣さんの力、芸大教授の谷 茂樹さんの影響力によるものと思います。
このオペラのキャストには、省略出来ない重要な役柄ばかりで、全てにスピント唱法が求められるプッチーニ節であります。しかも、どの役が欠けてもストーリーは成り立たない、出演者選びの難しさが有ります。当日の公演は、見事にこれらをクリアーし、聴衆と感動を享受するに成功した企画であり、久しぶりにお涙を頂戴となり、30周年記念に相応しい公演で、新国立劇場でも味わえないものを受けてしまい、今後とも益々の発展に祈念する思いに至りました。
それにしても、プッチーニのオペラには隙が無い、隅から隅まで名旋律で埋められ、半端な実力歌手では務まらないのです、正月早々に良い思いをさせてもらいました。

1月26日土曜 神奈川フィル定期演奏会に14:00開演でみなとみらいホールに行ってきました。当日の指揮が、トロンボーン奏者のクリスチャン・リンドバーグ、演奏曲目がヒンデミット/弦楽と金管のための協奏音楽、レオポルト・モーツァルト/アルト・トロンボーン協奏曲、そして、後ステージがシベリウス/交響曲第2番でした。
指揮者のリンドバークは、1958年のスウェーデン生まれ、トロンボーンの演奏技術は世界的にも評価され「トロンボーン界のパガニーニ」と言われる卓越した技術の持ち主、最近では指揮者としても成功しており、日本では読売日響との共演などでも実績をあげている人で、当日は、モーツァルト/トロンボーン協奏曲の吹き振りでした。
流石に見事な演奏技術であり、このトロンボーン協奏曲は、私初めて聞く曲でしたが、トロンボーンに、こんなことも出来るのかと初めての経験をしまた。
そして、後ステージがシベリウスの交響曲第2番です、シベリウスは20世紀の現代に活躍した人と言えましょう。しかしその作曲手法は、ベートーベン、ブラームスなどのロマン派を継ぐもので、広い音楽ファンの支持を集めています、特にフィンランディアとこの第2番は人気があります。リンドバーグは素晴らしい指揮であり、ここも感動ものでありました。加えて神奈川フィルの益々の演奏技術に接し我が事のように楽しくなり、定期演奏会ならではの企画にも感動し、極上の贅沢を味わってきました。

1月27日 日曜 ワグナー/オペラ、タンホイザーに14:00開演で新国立劇場に行ってきました。
指揮者が アッシャー・フィッシュ、オーケストラが 東京交響楽団でした。指揮者のアッシャーは、ダニエル・バレンボイムのアシスタントを務めて後、後期ロマン派作品の指揮で実績を積み、ヨーロッパを中心に活動している人ですが、アメリカ シカゴ交響楽団などとも共演する現在最も人気のある指揮者の一人です。新国立劇場には2009年の出演以来10年ぶりの出演です。
出演者には、領主ヘルマン役にお馴染みの日本人バス歌手の妻屋秀和、タンホイザー役にトルステン・ケール、この人は現代貴重なワグナー歌いのヘルデンテノール歌手、ヴォルフラム役にローマン・トレーケル、ドイツ生まれで同じくワグナーを得意とする傍ら、モーツァルトなどにも出演している、そしてエリーザベト役にリエネ・キンチャ、この人はイタリアオペラも熟すワグナー歌いであります。この3人の外国人歌手に交じり、タイトロールを演じる妻屋はお馴染みの日本の誇る世界的バス歌手で、見事に大役をこなしていました。
タンホイザーの舞台は、過去に何度も見ていますが、回を重ねるたびに新たな感動を覚えるのです。これは、タンホイザーに限ったことでは無いのですが、心理描写の極みと言えるこのオペラは、言葉が解らないことから字幕追いに気を遣うと、聴くことが疎かになる傾向が特に強いと思います。
音楽、ストーリーは、同じでも演奏は毎回違います。だから観劇毎に受ける感動が違い、オペラ劇場に通うことになるのです。ならば、DVD で鑑賞回数を増やす手もあますが、雑事、雑念の多い自室での鑑賞は、雰囲気のミスマッチから乗ったり乗らなかったり、集中力の欠けがちになります。
そんなこんなで、当日の公演は素晴らしかったです。新シーズンになって監督が代わって、出演者の趣向が変わって、これから益々楽しみな新国立劇場に期待するのです。
当日は、日曜で遅めの朝食を採り、昼食ぬきとしました。演奏時間が、休憩時間を入れずに実質3時間と25分です。終演後に備えてここでしか買えないバケットとスーパー成城石井で少し贅沢な食材を買い、帰宅してワインで食事、これ一流レストラン以上のものでした。

待ちわびた リッカルド・ムーティー指揮によるシカゴ交響楽団のNBA主催によるコンサート ヴェルディー/レクイエムが1月31日 14:00開演で東京文化会館にて行われ、行く予定でいます。素晴らしい演奏が期待できますが、この公演をレポートするとなると、本コラムのアップが大幅に遅れてしまうので、残念ながら次月にアップさせて頂きます、悪しからずご容赦頂きたくお願い致します。
インフルエンザにコンサート、充実の2019年正月に感謝であります。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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