会長のコラム 124
暖かくなり、アベノミックスも順調に推移しているようで、何か希望に沸く昨今と言えましょう。
私は、3月18日からメキシコ旅行が予定されています。幸い、3月のコンサートサーの予定もそれまでに消化しますので、コラム124号は3月18日で、一旦、区切る事にします。
そして、メキシコ旅行を一つの区切りとし、125号として単独にレポートします。宜しくご高覧のほどお願い致します。
コラム124号のサマリー
1.江崎さん主催の小川紀美代のバンドネオンコンサート
2.神奈川フィルの定期演奏会
3.マリアンナ・ピッツォラートのメゾソプラノ・リサイタル
4.高輪オペラの会
5.新国立劇場 ヴェルディーのオペラ/アイーダ
1.江崎さん主催の小川紀美代のバンドネオン・コンサート
3月1日(金)16:30から銀座画廊において行われ、行ってきました。
江崎さんは、TDKの常務を勤められ、現役時代はハードディスクの磁気ヘッドを開発され、TDKの屋台骨を作られたお一人です。今は、絵画の製作に没頭され、この度、銀座の画廊にてブェノスアイレスをテーマにした絵画個展を開かれました。
今回のテーマに即して、会場にてバンドネオン奏者の小川紀美代さんが応援のコンサートを催されました。
小川さんの演奏スタイルは、現代調、ピアソラ調でありまして、我々の古典派には馴染めない演奏スタイルでありますが、やはり生のバンドネオンの音はかけがいの無いものであります。
それでも古典調を求めて止まない、無いものねだりと知りつつは我々世代のマニア心理であります。
小川紀美代さんは、アルゼンチンに留学し現地仕込みの腕は流石と言うものでありました。池袋のライブハウスを拠点として活動されている由、近々仲間を誘って行って見ることにします。
2.神奈川フィル定期演奏会
3月2日(土)14:00開演、みなとみらいホールにて行われ、行ってきました。
演奏曲目が、当館の館長であります池辺晋一郎作曲の交響曲8番が、前ステージにて演奏されました。
この曲は、3楽章から構成され、今回が初演だそうです。難しくてよく解りませんが大掛かりな楽器構成で、映画音楽のような迫力ある曲との印象でありますが、「CDあるから買うか」と聞かれれば買わないでしょう。
後ステージがラフマニノフの交響曲第2番でした。この曲、結構大曲でありまして、プログラムには46分と記されているものの、ほぼ1時間掛かっていました。あまり演奏される機会が少ないようですが、中々良い曲で全曲通してじっくり聴くのは初めてでした。
やはり、演奏時間が長く扱いにくいものと思います。早速、ネットからCDの購入をしたのですが、支払いお願いの返信が有りませんので未だに入手されて居ません
このような機会は、やはり、定期演奏会ならではのチャンスではないでしょうか、神奈川フィルも随分上手くなりました。今でも会員募集していますから、是非入会をお勧めします。N響定期よりも可也安いです、だからと言ってN響に見劣りするような事は有りません、その差が解る人は何人も居ないはずです。
3.「マリアンナ・ピッツォラート」メッゾソプラノ・リサイタル
3月4日(月)紀尾井ホールにて19:00開演で行ってきました。
このコンサートは、日本ロッシーニ協会が後援するもので、私も協会に所属する方からの紹介で知りました。私がオペラを聴くようになって知った、メッゾソプラノ歌手で有名な人と言えば、シミオナート、コッソット、ベルガンサ、そしてカサロバなどが思いうかびますが、この中でロッシーニ謳いと言われるのは ベルガンサ、カサロバ、であり今回のピッツォラートもそのジャンルです。
同じメッゾソプラノと言っても シミオナートやコッソットの歌うものとベルガンサ、カサロバが歌うものしでは曲の性格が違うのは面白いです。
そして、今回のピッツォラートは後者のグループに属す人ですが、なかなか味わい深い歌手であります。ボルガンサ、カサロバと同じジャンルと言いましたが、声量はこの二人と比べて多いとは言えませんし、その味わいも可也ことなります。でも、ロッシーニの曲に最適と言えましょう。本当に、楽しいコンサートでした。
ここ紀尾井ホールには駐車場が無いので、どうしても、ニューオータニ・ホテルに泊まることになり、高価なコンサートになってしまいます。しかし、ここ紀尾井ホールは音響が良く、席による差が感じられないし、とても気分の良い響きで、何時も良い音楽を聞かせてくれるとの印象があります。
それなりに、主催側も吟味しているのでしょう、一種のブランドでと言う事でしょうか、最近自分のビジネスにブランド意識を持つ様に心がけているので、こんな事も気になる様に成っています。
4.高輪オペラの会
3月9日(土)グランドプリンス高輪ホテル内のレストラン「イル・レオーネ」にて12:00開演で行ってきました。
この会は、年に3回、このレストランにて、開催されます。今回は、レハール/オペレッタ「メリー・ウィドー」で、出演者はソプラノの宮本採音、バリトンの大川信之、メゾ・ソプラノの大野康子、バスの大原貞彦、そしてピアノが藤原藍子と言う布陣でした。
私は、昨年来日したウィーン・フォルクスオパーの公演に行ったので、その対比として大変参考になりました。公演レベルは比較に成りませんが、今回の公演企画への理解を示す良い材料になったと言うことです。
本公演は、オペレッタでありまして、ストーリーの進行に伴った内容を正確に理解しないと面白く無いと言うことがあり、企画、演出には事の他苦労された跡が読み取れます。限られた時間と出演者を駆使して、よくぞ此処まで表現出来たと感心してしまいました。
また、歌手の方々とピアノ伴奏が乱れることなく実にスムースな進行は脱帽ものでありましたが、総合練習を4回も重ねたと言うことですから、関係者の方々のご苦労の賜物といえる結果でしょう。
見応えのある公演で、手抜きの無い仕上がりは、この主催者でなければ出来ない完成度に楽しいひと時を過ごさせて貰いました。
5.新国立劇場 3月公演 ヴェルディー/オペラ「アイーダ」
3月11日(月)18:30開演で行ってきました。
アイーダを演じるソプラノが、ラトニア・ムーア、ラダメスを演じるテノールが、カルロ・ベェントレ、そして、アムネリスを演じるメッゾ・ソプラノがマリアンネ・コルネッティの主役3人が外人でした。オーケストラが、東京交響楽団コンサートマスター大谷康子、指揮がミヒャエル・ギュットラーでした。
この指揮者のミヒャエル・ギュットラーは、マリインスキー劇場常任指揮者を勤め、ウイーン国立劇場、パリ管、など世界一流オペラ劇場にて活躍する指揮者でして、新国立劇場は2度目の出演となります。
当日は、何と言っても、ソプラノのラトニア・ムーアのスバ抜けたソプラノ歌手で、これだけ声量が有り、1・2幕の合唱とオーケストラのフォルテから抜け出す声はただものではありませんでした。加えて3幕以後のしっとりとした場面での歌唱も素晴らしく、私の好きな第3幕は痺れ通しでした。
この人、メトロポリタンオペラ劇場にてウルマーナの代役で「アイーダ」を勤めたのがきっかけで、大喝采を浴び、それ以後各公演から引っ張りだこの情況とのことです。それが12年3月で極最近のことです、若手ソプラノ歌手として大いに期待されているとの事、正しくその様に思いました。
ただ、この人は米国生れの黒人で、黒人らしからぬデブであります。アイーダの役柄からは、何ら不自然を感じませんでしたが、役者としての役柄は結構難しいと思います。
当日の舞台は、実に豪華絢爛でして、2匹の馬が出てくる、合唱の人数も多くバレーも素晴らしいものでした。プログラムからの写真を載せますので、その豪華さをご想像下さい。
因みに、当日のチケット代金は、2人で120歳割引と言うことで、一人当たり24,000円でした。この豪華な公演をこの金額で提供出来るのは、国立劇場ならではと言うところでしょう。