Phasemation フェーズメーション

colums会長のコラム

会長のコラム 246

3月のコラムです。
チャンネル・デバイダーの商品発表をして、多くの方々から質問やご意見を頂き、マニアの方々のご興味の深さを知ることで、元気を頂いております。
「シンプル・イズ・ベスト」の方針から、入出力端子は不平衡のみでやるつもりでしたが、市場の要望は、平衡型を希望するご意見が圧倒的に多く、平衡型を取り入れるべく、当社パッシブATTの「CM-2200」 の実用実績を踏まえ、「やるしかないか」との決意のもとで、方向転換する事にしました。
結果として、本チャンネル・デバイダーのチャンネル毎の出力端にCM-2200 のユニットが個々に内蔵される事で、本器は贅沢なシステムになります。当然価格もそれなりという事になるわけですが、手間のかかり具合を考えると、大変高価なものになります。
当社の「音に対する主義主張」として、シンプル・イズ・ベストを維持しつつ、全帯域に渡って位相直線性を求める事であり、それにはチャンネル間のフィルター特性を6dB/oct以外に策は無いと考えます。対して、一部のマニアの方は、96dB/oct でなければダメだと極論を言われる方が居られます。我々は全く根拠の無いご意見として、帯域間の位相リニアーの重要性を鑑み、頑固に6dB/octフィルターを続ける所存です。
チャンネル間セパレートを6dB/octのルーズな数値で切る事により、チャンネル間の音の交わりが多くなる、とのご批判を頂きますが、そのご意見も頂けません。折角のメリットを考えずに切り捨てるとは何事でしょう。
オーケストラの第一バイオリン・セクションは、14丁程の楽器で構成されますが、使用されるバイオリンには同じものは有りません。すべての奏者が違った音色の楽器を持ち、それがオーケストラの音の厚みを決めているのです。すべてをストラディバリウスで編成するなどと言う事はあり得ません。音色の違うものの集まりで音が厚くなり、オーケストラの音を造っています。オーディオ再生でも同じことが言えると考えると、音色の違いが有って、位相がリニアーである事、これが必須条件と考えます。
もう一つ、我々の音作りのポリシーは、くどいようですが、シンプル・イズ・ベストであります。再生帯域をチャンネルに分けて、それぞれのチャンネル毎にスピーカーユニットを接続して、「何がシンプルか」と問われるなら、お答えしましょう。
高級オーディオ・スピーカーは、LCフィルターで再生帯域をチャンネルに分けて構成するために、位相特性は音響工学的に極めて複雑化し、素人でなくともその複雑さは、手に負えません。その点を追い詰めて必然的に辿り付く結果が、チャンネル・アンプ・システムと考えます。

今月の音楽ライフ
3月17日金曜 14時開演で新国立劇場に「オペラ・ホフマン物語/オッフェン・バック」に行ってきました。私このオペラを舞台で鑑賞するのは初めてでした。DVD での鑑賞機会は有りますが、舞台の鑑賞機会に恵まれませんでした。
このオペラには、オペラ好きでなくとも誰でも聞いたことのあるメロディー「舟歌」が有名であり、それ以外にも随所に名アリアが有って楽しいオペラであります。何といってもオッフェン・バックの最後の作品であり、作曲者の生存中に公演されていない事や、未完と言われていたものが、作曲者の死後に次々に楽譜が発見されたりして、紆余曲折なる初演記録となっていることなど、話題の尽きない作品です。
このオペラは、生存中から期待されていた作品であり、現代でも未完と言われつつも次々発見される楽譜等のこともあり、演出家の手腕が問われると言われています。今回の公演ではフィリップ・アルローのものですが、音楽の勉強をしていないオペラ・ファンの私には難しい話は無用であり、素晴らしい公演であった事をお伝えする事のみであります。

当日の演奏、キャスト

指揮 マルコ・レトーニャ。ヨーロッパ各地の音楽監督兼指揮者を務め、ヨーロッパの主要オーケストラに指揮者として呼ばれ、活躍している人、新国立劇場初登場
演奏 東京交響楽団
コンサートマスター グレブ・ニキティン
キャスト 出演者の多い作品ですが、外国人は2名のみ、主要キャストに名だたる日本人名手が出演。小林由佳、安井陽子、村上敏明、他 例によって普段は見せない好演技のオンパレード、新国立劇場ならではの素晴らしい舞台でした。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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