Phasemation フェーズメーション

colums会長のコラム

会長のコラム 260

5月のコラムです。

前回コラムにて、TAD-GE1-WNのスピーカーを導入し、当社MA-5000で駆動すべく拙宅に設置したことをレポートしました。今月は、ここでの重低音再生に付いて、改めてレポートさせて頂きます。
先にお話した、オーディオ評論家(池田 圭)の試聴室で体験した重低音再生には至って居りませんが、低音の雰囲気は充分に伝わって来ています。しかし、私の耳に付いて離れない、重低音には至っておらず、やはりチャンネル・アンプ方式の風のような低音をこのスピーカーに求めるのは難しそうです。
低音再生に付いては、オーディオ評論家の高橋和正さんはMFB方式で重低音再生を追求されておられましたが、未完のまま、先日ご逝去されました。低音再生を求める格好のライバルであられ、私と同い年の和正さんのご逝去は残念でなりません。今は、ご冥福をお祈りするのみです。高橋和正さんは、拙宅に試聴に行くと言いつつ、病に倒れ、来宅は叶わず仕舞いで、只々、残念至極であります。

今月の音楽ライフ
今月は、神奈川フィル定期演奏会が2公演と新国立劇場のオペラ公演の1公演が行われ、忙しい音楽ライフでした。

5月11日(土) 14時開演で、横浜みなとみらいホールに定期演奏会「みなとみらいシリーズ」公演に行って来ましした。

指揮: 大植英次
コンマス: 石田泰尚
ヴァイオリン: 大江馨
演奏曲目: 前ステージが、ラロ/スペイン交響曲
後ステージが、ラフマニノフ/交響曲2番

前ステージのラロ/スペイン交響曲は、実際はヴァイオリン協奏曲で、何故交響曲と称するか、独奏と拮抗するほどオケが活躍するからと言われていますが、これは納得し難いところです。当日は、ヴァイオリン独奏を大江 馨の演奏でした。
ラロは、作曲家として遅咲きで、再婚した後妻に刺激されて作曲に精を出したと言われています。私、この曲の生演奏を聴くのは初めてで、やはり優れた作曲家であり、言われているように素晴らしい曲でした。
後ステージがラフマニノフ/交響曲2番です。ラフマニノフと言えば、何と言ってもP協2番が圧倒的に有名であり、映画のテーマ曲に使用され膾炙された曲で、チャイコフスキーの足跡継承者等と揶揄されていますが、そこから脱却すべく苦難したのが交響曲2番と言われ、演奏者にはご苦労さんとエールを送りたくなる心境の名曲であり、激しい曲でした。
当日の選曲は、「定期演奏会だからこそ」と言われそうな、筋金入りの選曲に興奮してしまい、定期演奏会に感謝でした。

5月18日(土) 15時開演で、神奈川フィル定期演奏会/音楽堂シリーズに行ってきました。

指揮: 阿部加奈子
コンマス: ゲスト・コンマス 東 亮汰
演奏曲目: 武満 徹/弦楽のためのレクイエム
ラッヘンマン/管弦楽の為の塵
後ステージが、ベートーヴェン/交響曲3番「英雄」

指揮者の阿部加奈子の事は、全く知りませんでした。このひとは東京芸大卒業後パリ国立高等音楽院にて指揮を学び、海外で活躍し続けて来た人との事です。現在フランス・ドーム交響楽団音楽監督を務めている人とのこと、神奈川フィルとは初協演です。

前ステージは、武満 徹/弦楽の為のレクイエムとラッヘンマン/管弦楽の為の塵、の2曲が演奏されました。2曲とも現代音楽で、武満は時々聞かされる曲ですが、ラッヘンマン/管弦楽の為の「塵」は初めて、バリバリの現代音楽。私、現代音楽は苦手で全く理解出来ません、これ以上のご案内は省略です。
後ステージが、ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」お馴染みの曲です。
現代音楽を得意とする指揮者が、ベートーヴェンを演奏すると如何なるか、なるほどそうか、新鮮味は有るが、頂けません、これ私の感想であります。
しかし、音楽愛好家として、音楽再生機器メーカーのリーダーとして、収穫の多いコンサートであり、勉強になりました。

5月22日14時開演で、新国立劇場にオペラ/ヴェルディ/椿姫に行ってきました。
このオペラは、「ザ・ベルカント・オペラ」と言われる演目です。私、この曲の生演奏は久しぶりで、楽しませて頂きました。
当日のオーケストラは、東京フィル、指揮がフランチェスコ・ランツィロッタ、主役のヴィオレッタが中村恵理で、この劇場での主役を日本人歌手が演じるのは極めて稀で有ります。この人の声量は「そこそこ」でしたが、声が細い。ですが「これも有り」と思う程に立派なヴィオレッタでした。
そしてジェルモン役グスターボ・カスティーリョ、この人は新国立劇場初登場です。
このジェルモンの役は、何と言ってもレオ・ヌッチで、劇中で歌われるアリア「息子に故郷に帰ってこい」と歌うこのアリアは、私の耳にへばり付いて離れない、誰が歌っても譲れない歌手「レオ・ヌッチ」、頑なな耳は、理屈無しに如何にもならないのです。
しかし、生のオペラ舞台は何物にも代え難い、価値があり暫く振りに堪能し、ハッピーな時間を過ごさせてもらいました。新国立劇場に感謝でありました。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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