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colums会長のコラム

会長のコラム 226

6月のコラム226です。
「オリンピックは、突破力で絶対に開催、成功させる」と菅総理は勇ましく気張っていますが、相変わらずの迫力に欠けるスピーチは気になるところ。バッハ会長というのも報道から知る限りでは、中々なツワモノの様ですし、何も起こらないことを願いつつ静かに見守ることにします。オリンピックに付いては、サイレント・マジョリティーの方々が過半数だ、との報道も有って、冷めたオリンピックになりそうです。
私の仲間同士の「本の会」は、コロナ禍以来1年以上休止となっています。DXも考えましたが、参加者全員の賛同が得られず、コロナ禍の様子観の状況が続いています。この沈んだ心理環境でしたが、我が音楽ライフは二つ、この時節柄に関わらず感銘の深い体験をしました。
「高輪オペラの会」です。6月4日、主催する宇垣淑子さんの88歳のお祝いと当オペラの会35周年記念の年と言うことで、「ラグジュアリー・グランド・コンサート」が、高輪プリンスホテルの宴会場で開催されました。参加に当たっては、心配が募りましたが、高齢の宇垣さんがオペラへの思いを具現化する熱心な行動力に同調し、仲間達の熱意に押され参加しました。
当日のホテル側のコロナへの対応は、半端ではありませんで、頭が下がる対応に、流石との思いが募りました。巷のお酒の提供禁止令、密を避け大声を出すな、などの宣言を超える徹底した対応ぶりには、オペラコンサートの価値を壊す程の抑止力が在りました。ホテル側の必死に対応するスタッフに感謝であり、対して一部、巷の無神経ぶり輩の行動には、国家権力の発動(憲法違反かも)などと考えさせられる思いがつのります。
コンサートの会場は、レストランと並ぶ隣の部屋で、普段は結婚式などの宴会用フロアーでしょう。来場者の検温と消毒は世間と同じ、そこにマスクとフェイス・シールドが配られ、アルコール飲料はご法度のうえ、4人掛けテーブルの対面に透明のシールド板が置かれ、食事のときは一瞬外して良いが、仲間同士の会話は出来ません。
オペラ歌手は、マスクかフェイス・シールド着用で歌うのです。これには些か抵抗を感じましたが、ホテル側の強い要請とのこと。これでは、オペラ鑑賞と言う場にそぐわないのですが、日本を代表する歌手たちが目の前で歌う姿には、生演奏の大きな価値は損なわれません。オペラ歌手の歌唱力が、歌謡歌手とは次元の違う厳しい訓練から来る、このことを改めて強く感じるものでした。
当日は、ウィークデーと言うこともあるのか、昼食時にも関わらずレストランの一般客は疎らで異常な様子を見るに、若者の集まる学生街とはまるで違う。この差は何か、やはり憲法改正により緊急事態宣言の拘束力を・・・ そうそう、政治問題は慎む、いや、ご法度と心得ております。
当日の出演者の概要です。

伴奏者 ピアノ/藤原藍子、細川智美、そしてコントラバス/小幡淳平
歌手 私の知る一部の人ですが
ソプラノ/佐藤亜希子 野田ヒロ子 杣友恵子
テノール/上原正敏 城 宏憲 水口聡 笛田博昭
バリトン/泉良平

今月の音楽ライフとしてもう一つ。
神奈川フィルの定期演奏会が6月26日土曜2時開演で、神奈川県民ホールに行ってきました。相変わらず音の悪いホール状況でしたが、ベートーベン/交響曲2番、そして、フランク/交響曲 FWV.48 の2曲、定期演奏会でなければ聴けない選曲に、期待が膨らみ、裏切られない演奏に大満足のコンサートでした。
ベートーベンの難聴が始まるのが、この曲の作曲にとりかかる時期と言われており、心理的にも複雑な時期の作曲と言われる作品です。ベートーベンの作品としては、演奏機会の少ない作品ですが、何と言ってもベートーベンの聴き応えは流石であり、複雑なる心理状況を思いつつ聴くのも聴き方の楽しみの一つです。
そして、後ステージがフランク/交響曲です。フランクの生まれは、ベルギーですがフランスに居を構え心根はフランス人と言えましょう。オルガン奏者として活動の傍らパリ音楽院の教授を務め優秀な弟子たちを輩出した人で、もともと作曲の才は有ったようですが、創作エネルギーが頂点に達したのは60歳代で、有名曲が世にでるのはこの時期の作品です。そしてこの交響曲二短調は、68歳のときに完成され、弟子たちに押されて完成したといわれ、初演はパリ音楽院管弦楽団よるものでした。
この曲は、フランクの頂点をなす作品とも言われ、私好みの曲でありますが、何故か生演奏機会の少ない曲であり、定期演奏会に感謝でありました。
当日の指揮者が、神奈川フィル特別客演指揮者の小泉和裕で、毎度の事ながらこの人の選曲と演奏には注目していて、神奈川フィル定期演奏会のツボの一つであります。

毎度、拙いコラムにお目通し頂き有難う御座います。私、コロナ予防接種を2回受けましたが、世間では、まだまだ警戒気運を続けなければなりません。皆様に置かれましても、暫くの辛抱でご座います、くれぐれもお気を付け遊ばし、悔いの無い人生を全うされることを願っております。もう暫くの辛抱頑張りましょう。

鈴木信行 :すずき のぶゆき

昭和45年勤務先のアイワ株式会社をスピンアウトして独立。

磁気記録に関る計測機器の製造販売の事業を開始し、その後カーエレクトロニクスの受託設計の事業を始める。

何れの事業も順調に発展したが、会長の永年の思いであった、ハイエンドオーディオの自社ブランドを立ち上げ、現在はカーエレクトロニクスの事業を主とし、協同電子エンジニアリング(株)として運営している。

現在、協同電子エンジニアリング(株)の取締役会長として、趣味のオーディオを健全に発展させたいと真摯に研究し、開発に勤めている。

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