会長のコラム 289
私事で申し訳ないが9月11日で90歳を迎えた。だからと言ってその後、特別に生活環境が変わった訳では無いが、同い年の友人知人が続けて亡くなる事や、父親が特別養護老人ホームに移住した歳を思い起こすのだ。今の私は、と言えば、会社の創業者であり非常勤取締役会長と言う文鎮役であるが「自分が起こした会社」と言う「思い」が拭えず、頭の働きは衰え、耳は難聴、眼は片目、何も出来ないくせに、会社の将来を思い巡らす。
これ創業者の宿命かも知れない。我ながら情けない思いに至る「今日この頃」を迎えている。
とは言え、根っからの電子工学の技術者育ち、中学時代からクラシック音楽に目覚め、今でも新国立劇場と神奈川フィルの定期演奏会の会員を続けている。こんな事からオーディオ事業を始めた。言ってみれば、「音楽があるからオーディオ技術が有り、演奏会がある」と自身に言い聞かせている。その演奏会を自宅で再現したくなるのは自然の理なのだ。
我々の求める音楽再生は、限りなく生演奏の質を求めて、止まないのである。「雷の音や蒸気機関車の音」等の再生音は、我々が求める「音」には関係の無い事だ。
「コンサートホールの音」を目指し、せめてその「雰囲気」なり、「らしさ」を求めて、励んでいる ! 世で言われる「マニア」とは、ここで一線を画している。
今月のコンサート
10/7 14時開演で、オペラ ロッシーニ/イタリアのトルコ人の公演に新国立劇場へ行ってきました。このロッシーニ作曲のオペラは、久しぶりの観劇で楽しい思いを期待しつつ臨みました。何と言っても、気合の入った演出で、舞台上の迫力は稀に触れる圧倒を感じるもの、舞台演出と出演歌手の力強い歌唱がマッチして、見応え、聞き応え、迫力は抜群と感じる、感激を覚えました。
このオペラ公演は、私は2度目の舞台観劇でしたが、今回は事前の思いを大きく変える素晴らしい公演で、新国立劇場の益々の運営企画に期待しつつ、止められない魅惑に満ちてしまいました。
10/10 14時開演で、神奈川フィル定期コンサートに行ってきました。
演奏曲目
前ステージが、ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲
後ステージが、ホルスト/組曲「惑星」
ラフマニノフは、19世紀後半ロシア/サンクトペテルブルクの音楽院を作曲家・ピアニストとして、モスクワ音楽院を卒業。かの有名なピアノ協奏曲を作曲している。その後アメリカに亡命し、ピアニストとして活躍、傍ら後世に残る名曲を残している。
後ステージのホルスト/組曲「惑星」
ここで言う「惑星」は、現代で言う天文学の惑星ではなく、占星術から受ける創作インスピレーションで、当時の人々はスピリチュアルな世界に夢中になったと言われている。惑星毎の性格に想像力を掻き立てられたホルストが、太陽系の7つの惑星をイメージして作曲したといわれています。
私、この曲の生演奏を聴くのは初めてでしたが、曲全体に及ぶ迫力は、オーケストラの演奏にて、緊張の連続を呼び起こす、凄い曲でした。生演奏ならではの聴き応えと思いましたが、我がオーディオ装置で聴くと如何か。このソフト、残念ながら我が手元に有りませんで、早速手配しなければ、の思いに至るのです。